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むし歯予防のための「正しいフッ素の使い方」

「フッ素はどうして歯にいいの?」でフッ素がなぜむし歯予防に効果があるのか、解説しました。

では「フッ素でむし歯予防」するにはどうしたらいいのでしょうか?

主に以下の3つの方法があります。詳しく解説していきます。

  • フッ化物入りの歯磨き粉、ジェルやマウスウォッシュ
  • 歯医者さんでのフッ化物塗布
  • (番外編)水道水へのフッ化物

フッ化物入りの歯磨き粉、ジェルやマウスウォッシュ

フッ化物を含んだ歯磨き粉や洗口剤を日常的に使用することは、むし歯予防に効果的です。皆さんにも馴染みがあるかと思います。

現在では1500ppm以下の濃度のものが認可されています。この濃度でしたら、少量を飲み込んでも影響はありません。

濃度が950ppm以上のものが効果的とされていますので、選ぶ際のポイントにしてみてください。5歳以下は500ppm、14歳以下は1000ppm以下の濃度を厚生労働省は推奨しています。

お口の中にフッ化物を残すことが目的のため、仕上げ磨きや歯磨き後の洗口として用い、使用後はうがいをし過ぎないことがポイントです。

歯科医院でのフッ化物塗布

定期的に歯科医院で高濃度(9000ppm)のジェルや溶液を塗布する方法です。

歯科医師や歯科衛生士が行うむし歯予防法であるため、歯科医院や保健所などで実施されています。

フッ化物歯面塗布は単に1回受けても効果は得られません。年2回以上定期的に継続して受ける必要があります。

乳幼児に定期的に継続して実施した場合、むし歯をほぼ半分に減少させたとの報告があります。また永久歯に対する予防効果については20~30%の報告が多いようです。

むし歯のリスクが高い方は、検診の時など定期的に塗布することが特に有効です。

(番外編)水道水へのフッ化物

これは個人で行うことではなく、国や自治体単位で行われる方法なので、番外編として紹介します。

海外では水道水にフッ素化合物を含有させることで、むし歯予防の効果が得られています。

日本でも過去に水道水にフッ化物が含有していた地域では、むし歯が少ないとの結果が出ています。

水道水フッ素化は、米国・オーストラリア・ブラジル・香港・アイルランド・マレーシア・ニュージーランド・シンガポール・英国など多くの国々や地域に導入されています。世界的にみると3億7,000万人が利益を受けていると見積もられています。

ただし副作用としての歯のフッ素症(斑状歯)、骨の異常、発癌性の指摘があり、国内では行われていません。

飲料水中フッ化物濃度が0.9ppmまでの地区では歯のフッ素症の流行はほとんどみられず、1.2ppmを越えるあたりから軽い歯のフッ素症が発現し始め、1.8ppm以上になると中等度以上の歯のフッ素症が発現します。むし歯有病状況は、飲料水中フッ化物濃度が0ppmから1.2ppmの範囲において急勾配で減少し、それ以上のフッ化物濃度になると、減少傾向は緩慢になります。

こうしたことから「飲料水中フッ化物濃度が1ppm以下であれば歯のフッ素症の流行がなく、また1ppm前後のフッ化物を含む飲料水はむし歯の発生を大きく抑制する」という結論が出され、フッ化物が不足した水道水にフッ化物を添加すれば、むし歯が予防できるということが判別されています。

まとめ

  • フッ化物入りの歯磨き粉やマウスウォッシュ
  • 歯医者さんでのフッ化物塗布
  • (番外編)水道水へのフッ化物

3つのフッ素によるむし歯予防の方法を解説しました。お子さんやむし歯になりやすいとお悩みの方は、参考にして頂けると嬉しいです。

出典

厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp)

みるみる身につくペリオの教養 関野愉 医歯薬出版株式会社