前回の記事「歯周病を悪くしないために大切なこと」で解説した通り、初期の歯肉炎の状態であれば歯磨きで治ります。
歯磨きをしやすい環境作りのために、歯石の除去や段差が大きい被せのもののやり直しを行うこともあります。
初期の歯周炎でも時間はかかりますが、炎症のコントロールが出来ていれば歯周組織が再生する場合があります。
歯周病の治療は長くて険しい道のりです。通院されるからには治したいのは我々も患者さんも共通の思いです。
では、進行した歯周病は治るのでしょうか。
進行した歯周病は治るの?
元どおりの完全な状態を目指すのであれば、中等度以上の歯周病を治すのは現状では不可能です。
中等度以上の歯周病のゴールは咬む機能に問題がなく、歯周ポケットが浅く、炎症がない状態とされています。
歯は元々20mm以上骨に埋まっています。骨の吸収が進んで埋まっている根が短くなると揺れてしまい、7mm以下になると単独では残せなくなってしまいます。棒倒しをイメージして頂くと分かり易いかと思います。
治療方法は?
部分的な骨の吸収や歯肉の退縮であれば、歯周組織再生療法や歯肉移植等、治す方法も確立されつつあります。
完全に回復しないなら治療しなくて良いと言われることもありますが、いずれ揺れて咬めない、歯肉が腫れる、歯が抜けてしまうなど機能に問題が出てくる可能性があります。生活習慣病は悪化させないために治療することが必要です。
歯周病が悪化してから治療を行うと、回復のレベルが低くなってしまいますし、通院による時間的コスト、治療費による費用的コストもかかってしまいます。
出来る限り早期に治療を開始し、維持することが何よりも大切です。