「フッ素入り歯磨き粉」
「歯医者さんでのフッ素塗布」
巷に溢れるフッ素ですが、どうして歯にいいと言われているかご存知でしょうか?
フッ素は、むし歯予防の効果があります。
今回は、フッ素がどうやってむし歯予防に働いているのか、デメリットはないのかを解説します。正しく仕組みを知ることで、毎日のケアでフッ素を活用してくれると嬉しいです。
- フッ素がむし歯予防に効く仕組み
- フッ素にデメリットはあるの?
フッ素がむし歯予防に効く仕組み
「フッ素で歯を強くしよう」とCMなどで聞いたことがあると思いますが、フッ素を用いても歯が硬くなるわけではありません。
フッ素がむし歯予防になる理由は「歯を酸に強くする」「抗菌作用がある」からです。
「むし歯のメカニズム」の投稿で解説した通り、お口の中は唾液の機能で中性(ph7前後)に保たれていますが、食べ物が入るとむし歯原因菌が糖を分解して酸を作り出します。この酸が原因で歯が溶けてしまうのがむし歯です。
再石灰化の際に歯の主成分のハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2 )にフッ素が取り込まれると、耐酸性が向上します。つまり、むし歯原因菌が出す酸で歯が溶けるのを防いでくれます。
またフッ素自体にも抗菌作用があり、菌の活動を抑制します。
フッ素にデメリットはあるの?
フッ素の毒性が報道されることもありますが、通常、虫歯予防に使用されているレベルの「フッ化物」は、使い方さえ誤らなければ人体に悪影響を及ぼすことはありません。
フッ素が体に害を及ぼすには約20kgの6歳児であれば、歯磨き粉のチューブ(950ppm 60g)を1.7本、60kgの大人であれば約5本を一気飲みするぐらいの量でなければなりません。
普段の歯磨き粉や歯科医院でのフッ素塗布では、量が少なすぎるので現実的には有害なことは起こらないとされています。フッ素は特に、永久歯が生えてきたばかりの子供や唾液が減ってきたご高齢の方には効果的です。
製品の用法・用量を正しく守って安心してお使いください。
出典
厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp)
みるみる身につくペリオの教養 関野愉 医歯薬出版株式会社